上市の大屋根

計画地は立山連峰のふもと、田園風景の中に古くからの家々が立ち並ぶエリアに立地しています。

周辺の家々は徐々に老朽化が進み、空き家なども増えつつある一方、近隣では新興住宅地の開発が進み、他の郊外の住宅地と変わらない、画一化された風景へと更新されつつあります。

今回の計画では、現代の暮らしに必要な住宅の機能や性能は確保しながらも、古くからの家々の佇まいに呼応した、

普遍的でスタンダードな住まいのあり方を追求しました。

無垢材・漆喰・和紙などの自然素材を用い、大工さんが無理なく施工できるディテールを取り入れながら、

現代的でミニマムな表現を心がけています。

この住宅が時を経て、味わいを増し、いつか「懐かしさ」を感じることができる風景の一部となることを願っています。